azumur

2018.09.24
テキスト:柊明音

 朝七時、いったん目覚めるも二度寝をする。しばらくして地鳴りのような野良猫たちの唸り声に起こされる。全身の毛を逆立たせ、鼻にシワを寄せ、四肢を踏ん張らせ、睨み合いを続けている。

 一発触発の緊張状態。彼らの世界を壊すような真似をしたくはなかったけど、さすがに近所迷惑なので手をたたいて退いてもらった。

 そんな彼らの様子を見ていて、こんなことを思った。「あんなにも必死になって自分の世界を守ろうとする強い意志を、私はどこかに置いてきてしまったようでしばらく見かけていない」。なんだか彼らがちょっぴり羨ましくなった。

 野生の牙を欲しているのかどうかもわからない。それを手にすることが正しいことなのか悪いことなのかもわからない。牙がなくても生きていける世界に身を置きたいものだけど、世の中そんなに甘いものではない。

 口をゆすいで、一杯の水を口に含み、二人分の珈琲を淹れた。今日はなんだか頭が冴えている。与えられた一日を無駄にしないように努めてまいります。

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